口腔癌について

こんにちは。福岡市博多区の歯科医院やまだホワイトクリニック歯科の佐藤です。

今回は口腔癌についてのお話をしたいと思います。元女子プロレスラーの北斗晶さんが乳癌で川島なお美さんは肝内胆管癌で闘病されており、癌のニュースを最近よく耳にしますが、実は口の中にも癌は発症します。

口腔癌罹患数は1975年には2100人、2005年には6900人であったが、2015年には7800人になると予想されています。これは全癌の約1%、全頭頸部領域の約40%を占めます。男女比は3:2と男性に多く年齢的には60歳代が最も多いです。

口腔癌の好発部位は舌が60%・下顎歯肉が11.7%・口底9.7%・頬粘膜が9.3%・上顎歯肉6.0%・硬口蓋3.1%と報告されています。 口腔癌の危険因子は、喫煙・飲酒・慢性の機械的化学的刺激やウイルス感染が挙げられます。発癌には複数の発癌因子が作用して、多段階的に癌に移行すると考えられ、口腔癌も外的慢性刺激により遺伝的異常が生じ、これらが蓄積して初めて生じるものと考えられています。

口腔癌の治療方法は、外科療法・放射線療法・化学療法・免疫療法などがあり、単独もしくは併用することで治療を行います。治療期間は数ヶ月から数年で、術後のフォロー期間は最低で5年間となります。

口の中の傷がなかなか治らない場合や痛みが引かないなどの症状がありましたら、一度口腔外科を専門としている医療機関を受診して下さい。

参考文献 2013年版 口腔癌診療ガイドライン