災害時の口腔ケア

こんにちは。博多区のやまだホワイトクリニック歯科の森です。

熊本地震の被災者の皆さん、不自由な避難所での生活や、ご自宅の被害を免れても、断水や救援物資の不足等で大変な思いをされている方もいらっしゃることと思います。心よりお見舞いを申し上げます。

ここでは、歯科医師として災害時の口腔ケアの重要性についてお話しさせていただきます。

大変な日常の中では、つい忘れられがちになってしまうお口のお手入れですが、口腔清掃が不良になることで、口腔内の細菌数が増加し、その細菌を飲食時や唾液の嚥下と一緒に吸引することによって誤嚥性肺炎を起こす方が増えることが知られています。特に高齢者では、長期にわたる避難所生活等で体力の低下を起こし、精神的ストレスから免疫力も低下することによって肺炎を起こしやすくなります。

震災という特殊な事態がなければ助かった可能性のある死「震災関連死」は、肺炎が原因であることが最も多く、阪神・淡路大震災においては、24%を占めていたそうです。

他にも歯科に関係することでいうと、義歯の紛失も多く見受けられ、限られた支援物資の中では、噛めるもの噛めないものに対する考慮も忘れがちになりますので、栄養不足に陥ることも考えられます。

災害時では、水の復旧は電気に比べて遅れるようで、歯磨き時にもいつもの感覚でうがいができないことが多いようです。歯ブラシがない場合は少量の水を含んでゆすぐだけでも違いますし、歯ブラシがある場合は、歯磨き粉をつけず歯磨きを行うことで少量のお水でのうがいで汚れを落とせます。

余震が続く中、不安な毎日をお過ごしの方も多いと思います。

1日でも早い収束と復旧をお祈り申し上げます。